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精密恒温環境ユニット
 
現場密着 精密恒温環境ユニット 『STCube (STキューブ)』
 
 
様々な製造の現場において、安定した品質を得る第一歩は、安定した環境を得ることです。
製造環境とは様々な要素を含みます。弊社はそのうち大きな割合を占める「環境温度・湿度の変化」を、特に製造現場の現状を考慮して、最適(コストを含め)な形でご提供します。
「そんなこと言っても、空調は高いし、どれだけ効果があるか判らない!」と仰る方は、次の点を良く考えてみてください。
 
「季節によって品質にバラツキが出ることがある。」
「精度の高い仕事は夜間に流す。」などなど
安定した高い品質を求める際に、皆さん何らかの方法で、作業時間を変えてみたり、また機械設備の多い工場では、一部の設備を止めてみたりと、工夫をされているのではありませんか?
そうです、皆様はすでに安定した環境を求め、実行していたのです。
これだけ考えても「どれだけ効果があるか判らない!」と言い切れますか?
 
「安定した環境」⇒「安定した製品品質」の関係は、さらに多くのメリットをもたらします。
それは作業の効率化(長期ノンストップ運転)などの省コスト化や、業務改善(作業者が複数作業を兼務)にも現れます。
しかし弊社の考える、製造業者にとっての最大の利点とは、『真に安定した環境は、製品品質にとって唯一無二の拠りどころ』だということです。具体的に申しますと、
ものを作るとき、様々な要因で製品の品質にバラツキが出ます。
その要因とは原材料のバラツキ、製造機器のバラツキ、作業者のバラツキ。そして環境条件のバラツキ。などなど複雑です。
今出来たものと、次に出来るものが100%同じことはありません。品質の高いものを作る、とはこのバラツキを如何に思った値に収めるか?より幅の狭い中に収めるか?ということです。
そこで皆さん工夫をされます。品質の良い原材料を使う。高くて複雑だが高級な機器を使う。技能者を育てる、もしくは工程分解をして完全マニュアル化で単純作業とする。みなランニングを含め高いコスト、しかも一度で済む作業ではないですね。常に更新を迫られます。
バラツキを作り出す要因の中で、一番後回しがこの環境条件かもしれません。しかしこれこそ正しい選択を行えば、一度の作業で長期間「ここは間違いない」と安心できる心の拠りどころになり得るのです。
 
ここで少々「正しい環境条件」というのを考えてみたいと思います。一般に環境条件が厳しい業界というのを考えてみましょう。代表的な業界は医薬品、半導体製造などがあります。
どちらも白衣・防塵服を着て、同じように物々しいイメージがありますね。
では実際に、どの様な環境が必要なのでしょうか?環境条件として代表的な温度・湿度を考えて見ましょう。
製造現場の温度は何度が良いのでしょうか?
実は明確に「x℃」というものはありません。以前は検査の流れで20℃が基準でした。今では様々な産業で23℃が多く採用されています。さらに食品はまったくの常温(空調できなり)、また医薬品業界は作るものによって変えています。
湿度は何%が良いのでしょうか?
こちらも明確な共通する数値はありませんが、多くの金属加工や機械組立では、やはり半導体産業の流れで55~65%程度をターゲットにすることが多いようです。
さらに各々の業界でも、製造の工程によっては数値が違う場所があります。環境条件は大切だと言いながら、何故このように多様(不明確)なのでしょうか?
 
半導体を考えて見ましょう。まずは基本となるシリコン結晶を作る場合です。シリコンの解けた炉の中は1500℃を越える高熱です。このときに周りが20℃だろうが、40℃だろうが関係ありますか?(関係はありますが、その差20℃のもたらす影響を次と比較してください。)
今度はこのシリコンに感光剤を塗布することを考えましょう。この薬品は紫外線を浴びることで固まり、それによってシリコン表面に回路パターンを作ることが出来ます。基本的には薄まった接着剤のようなものを想像してください。ではこの作業を0℃と20℃で行うとどうなると思いますか?そうです。0℃では薬剤が固まり作業になりません。
どちらも同じ20℃の差です。でもその差がもたらす影響は、製造できるか出来ないかにまでなります。
これは極端な例ですが、全ての製造現場に当てはまると考えます。つまり製造現場の温度というのは、「何℃でもかまわない」ということです。
では何が問題なのでしょうか、それは「温度変化」です。言い換えれば「温度のバラツキ」です。従って良い環境(温度)とは、「温度変化の少ない環境=恒温環境」となります。
ちなみにターゲットとする温度は、取り扱うものの性質で変わりますが、さらに考慮すべき点が作業者(人と機械)です。このため通常は18℃~28℃の間が一般的となります。
湿度やクリーン度などについても、温度と同じ考えとなります。つまりはここでも「バラツキを抑える」ことが良い環境条件となります。
 
ではどこまでやれば「良い環境条件」となるのでしょうか?
工業の代表選手、自動車について考えて見ます。
一番精密なエンジンを考えて見ましょう。様々な部品が使われていますが、市販車では概ね0.01~0.05mmの工作精度です。ではF1では?そうですさらに良い工作精度で作られています。つまり市販車も“作れない”のではなく“作らない”のです。無論コストの問題もありますが、そればかりではありません。出来た車の使われ方を考えてください。F1のほうが競技向けなので過酷な使われ方を考えるかもしれませんが、実際は市販車の方がものすごく過酷な条件なのです。まず機械として使われる環境温度を考えてください。F1レースを砂漠や、南極でやると聞いたことがありますか?市販車は砂漠でも使われますし、シベリアの極寒の地でも使われます。(無論、仕様の違いは多少ありますが。)さらに使う人(作業者)の違いたるや、F1は世界でも選ばれた数十人だけ。市販車はオイル交換も知らない人ばかり。さらに使われ方、F1は走るたびに完璧なメンテナンスを、世界トップクラスの作業者が行います。市販車は、、、精密なものはデリケートです。市販車にはこれら全てを考慮して、それでも通用する設計が必要になります。よってあまり精密に作っても、逆に問題が起こってしまうのです。
 
まてよ、ということはF1にとっての「良い環境条件」と市販車にとっての「良い環境条件」とは違ってくる? その通りです。
全てのものには、その製造過程だけでなく、製品の使われ方まで考慮した独自の「最適な条件」というのがあります。弊社は機械産業(機械加工から組立て、検査まで)に豊富な実務経験と、独自のアイデアで「最適な条件」をご提案できます。
特に製造の現場改善を念頭に、出来るだけ低コスト(初期、ランニングとも)、手間いらずの使用感(設置してすぐ実用)、そして日常に役立つことを実感できる機能(環境データの自動記録から、メンテナンスまで考えたトータル管理機能)と、オールインワンパッケージを可能としました。
 
さて通常の環境設備(主に空調)を考えた場合、空調設備は空調を行うもの、どの様に使うか、ましてやその管理監視はお客様がご自由に、というのが一般的でしょう。
なぜ弊社はオールインワンパッケージなのでしょうか?
そのほうが売り易いから!!確かにそうですが、売り易いとは逆にそれだけ求められている、ということでもあります。
もっと根本的には、弊社が環境整備(恒温環境)をお勧めする理由として『真に安定した環境は、製品品質にとって唯一無二の拠りどころ』と前述いたしました。これを実現するためには、空調設備だけでは駄目なのです。『拠りどころ』となるためには、正しい記録がなくてはなりません。また日々の作業においては、問題の出たとき、さらに進んで問題が出そうなとき、それを作業者に通知することも「頼られるための機能」となるでしょう。
従って、弊社のお勧めする「正しい環境条件」を整備して頂くためには、トータルパッケージ化こそがその鍵となります。
 
さて少々戻りまして「良い環境条件」とは、製造対象となるものによって変わると申し上げました。この際の「環境条件」とは基本的に「温度」「湿度」が2大要素となります。
しかし、実はこの2つの要素のバラツキを抑えようと考えると、様々な手法が考えられ、単純に「温度と湿度を一定にすれば良いのでは?」では足りません。
 
具体的に考えて見ます。ドリルでアルミの塊に穴を開けます。ここで求める高い製品品質とは、出来た穴の直径が正確であること。また穴の壁がきれいであること、とします。
実は「ドリルで穴を開ける」といった加工中では、ここでお話してきました「環境(空調)」はあまり関与しません。加工中は使っているドリルの精度だとか、使っている潤滑剤、そして素材そのものバラツキ、などに影響されるのです。ただし、この加工を行っている加工機械は「環境(空調)」に影響されます。また製品自体も、加工される前に正しい温度になっていたか、また加工後に寸法を測られますが、そのときの温度は?など「環境(空調)」には必ず影響されます。
少々判りにくいかもしれませんが、少し我慢してお付き合いください。
今お話している例「ドリルでアルミの塊に穴を開ける」のような簡単な場合でも、少なくとも4つの違う状況を考える必要があります。すなわち、〔素材としての製品を加工に備えて準備している状況〕〔加工中〕〔穴を検査している状況〕〔製品が使われる状況〕
 
では「温度と湿度を一定にする」とはどこからどこまででしょうか?
第一のポイントは、製造過程においてどこからどこまでを「良い環境」にするか?をしっかり考えることです。いくら穴がきれいにあく、または製造コストが安くなるからといって環境温度を0℃にしたらどうでしょう?通常はISOなど規格の問題もあり、工業的な測定の基準温度は20℃です。あまりに離れていると測定結果と加工の関連付けが面倒になりますし、測定できるようになるまで(製品温度が測定温度になるまで)時間が掛かります。
製品の製造にとって「良い環境」とは何か、その理由付けもしっかりと考えておく必要があります。これは「良い環境条件」であるターゲット温度を決める際に重要です。
 
第2のポイントのために、次に〔素材としての製品を加工に備えて準備している状況〕だけ考えて見ましょう。
この製品が自動車部品だとして、トータル的に考えた末、ターゲットとなる環境温度を23℃としたとします。当然この状況も23℃で統一しますよね。そうでしょうか?
素材の段階では、実際に加工に移るまでどれだけの時間保管されているのかわかりません。その保管期間中も23℃でしょうか?そうですね、保管中は別段管理しなくても問題ありません。ではいつから23℃にしたほうが良いのでしょうか?
ここで今までにない考えが必要になります。それは“熱容量”という考え方です。まったく同じ形の部品を、アルミと鋳物で作ると考えてください。素材の形も同じです。どちらも同じところに保管していました。さて加工の何時間前から23℃の部屋に入れれば良いでしょうか?
答えは鋳物を先に入れ、アルミはもっと後でも良い、となります。“熱容量”とはそのものがどれだけ早く温まったり、冷めたりするか、それを数量で表したものです。熱が入る器(入れ物)と想像し、大きな器はゆっくり一杯になり、小さな器はすぐ一杯になるようなものです。
第二のポイントは“熱容量”というものさしで、「良い環境」を何時、どのくらいの時間、整備しなければならないのか、ということです。
 
第三のポイントは少々ややこしいですが、〔加工中〕という状況でご説明します。
加工中に環境に影響されるのは、主に加工機です。加工機が影響されて、例えば真っ直ぐ動かなければ穴も真っ直ぐ開きません。つまり間接的には製品の品質に影響します。
余談ですが「加工機械のために環境整備」ということがなかなかご理解頂けない理由は、この“間接的”というところで、どれだけの効果が見込めるか判り難いからでしょう。
では加工機械のための「良い環境条件」とは?加工機械の周りを同じ温度にすれば良いのでしょうか?実はこれだけでは正解といえません。温度がまったく一定の部屋の中、同じ温度の風が吹いているとします。この風が機械に当たるとどうなるでしょう?
機械が止まっているとき、これは問題ありません。機械が動いているとき、これは問題です。
“熱伝達”という言葉を覚えてください。これは熱が物の表面から、その周りの空気に伝わる(逆も同じ)、伝わりやすさを数字にしたものです。たとえ温度が一緒であっても、この数値が違うと熱の伝わり方が変わります。
つまり機械が止まっているとき、何も発熱するものがありません。よって機械全体が、当たる風と同じ温度になれば、それ以上流れる熱がないので、温度が変わることがありません。機械が動いているときは、機械の中で発熱しています。その熱は、機械の表面を通って、周囲の空気に逃げます。その時、“熱伝達”が風の当たる場所、当たらない場所で違っていれば、機械の内部で熱の逃げ方が変わり、風の当たる場所はより熱が逃げ、当たらない場所は溜まります。
“熱伝達”は風の強弱でも変わりますから、当たっているところも常に微妙にバラツクことになります。
つまり第三のポイントは“熱伝達”を考えた、空気の流し方(気流ということになります。
 
「良い環境条件」のポイントとして、温度に関して3つほど考え方とその例を挙げました。実際には更に数点、またこれらのコンビネーションなどを含めると、非常に多くの条件を考慮する必要があります。また再三申し上げますように、「良い環境条件」の大前提として「製品によって条件は変わ」ります。弊社の基本として、まずはお客様の現場を見たうえでのご相談と考えております。
しかし主に機械部品やその組立作業など、共通化できる分野も多いため、まずはオールインワンパッケージで対応できる、STCubeをご検討ください。
 
 
※本概説に書かれています情報は、弊社の技術情報となります。コピーや無断盗用はおやめ下さい。
 
   
 
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